社会的課題の解決
NPO法人が活躍を求められてきた背景には、社会的課題の多様化や高度化があります。たとえば、高齢社会への対応、子どもの保育や教育、環境保全など、これまでは国や地方公共団体などの行政が担ってきた役割が、多様化・高度化によって行政だけですべて担うには限界があるからです。
もちろん、これまでも自治会、婦人会、市民団体などが地域や課題にあわせて活躍してきましたが、そうした団体が単に個人の集まりや任意団体として活動を続けていくには不便なことも生じ、NPO法人という法人化ができるができるようになりました。
これによって、社会の課題解決のため、一定の規模や資金力をもって活動することも可能になってきています。
社会起業・コミュニティビジネス
今では、こうした社会課題解決・社会貢献を目的に活動している団体・法人が、本格的に事業を展開して自律的に回る仕組みを持っているケースもあります。こうした取り組みは社会起業・コミュニティ・ビジネスとも呼ばれ注目されています。
特に、補助金や寄付だけに頼らず、法人自体の事業で利益をえて、その利益を社会活動に当てて自律的に回る仕組みができることで行政に頼らず自由に社会課題に取り組み、規模も拡大していくことができます。
法律で定められた20分野
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村または中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救助活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県または指定都市が条例で定める活動
以上の20項目から法人の目的を1つ以上定める事が必要です。
今後の活躍への期待
社会的な課題はさらに高度化・多様化することが予測されます。NPO法人という法人の形態をとることで、規模・資金・人材を拡大して事業をおこなうことが容易になり、さらに事業の内容、活動の幅も自由に広げていくことが可能になりました。
今後日本社会が解決していかなければならない課題について、行政ができる範囲にも限りがあることから、NPO法人を中心に非営利活動・社会起業の流れがより大きくなって行くことが求められます。また、行政、民間の会社、他の非営利団体等と同様に法人として対応に関係や信頼を構築し、協力体制でをもって継続して事業を行っていくことが望まれます。